終の信託

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  • なし 終の信託 (kinsan, 2012/10/27 8:44)

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kinsan

なし 終の信託

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前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2012/10/27 8:44
kinsan  長老   投稿数: 276
草刈民代・役所広司主演、周防正行監督作品。

「医療か殺人か?」というキャッチコピーだが、これには疑問を持たざるを得ない。「医療」という言葉よりも、「尊厳死」の方がふさわしい気がする。

ぜんそく患者の役所の主治医である草刈は、私的な出来事で自殺を図った後に患者である役所に精神的に助けてもらう。それから単なる医者と患者の枠を越えた、精神的な関わりを深めていく。その中で、医者は患者から「最後の時には、早く楽にしてほしい」と依頼される。
そしてある時、心肺停止状態で患者が運び込まれる。一応酸素吸入器などを取り付けたままで、命だけはながらえる状態までの措置はできたのだが・・・

およそ2時間半の映写時間のうち三分の二が草刈と役所の関わりを、残りが医者と検察官の大沢たかおとのやり取りでストリーが展開していく。

2時間半を長いと思わせぬところは、周防監督の力量と内容の重さだと思う。2時間半の間、笑う場面はほとんどなく観客はひたすら画面から出てくる問題を真剣に受け止めていかなければならないのである。
試写会では映画が終わりスタッフロールが始まったとたん、いつにも増してざわざわと話し声が広がったことからも観客が緊張状態に置かれていたことが分かる。

「延命治療」や「終末医療」、「尊厳死」等については、単に医療現場でだけではなく民間レベルでも様々な取り組みがなされている。そこには「人間としての死の迎え方」を含めた取り組みがなされている。

この「終の信託」が問いかけてくる問題を考えた時、一番気になるのが医者と患者の関係を越えた「信託」ではないという点である。草刈は明らかに役所に患者に対する以上の思いで接している。役所に対する最後の措置が「命を救う医療行為」ではなく、「絶命のための行為」であったことについての描写が不足していたように思う。

この映画に対する評価はそれぞれに違うと思うのであるが、医療現場に立つ人たちの意見や感想が聞きたいと思った。

それとは別に周防監督の書記を思わせる場面が出てきて、ほくそ笑んだことを正直に告白しておきたい。

年末を迎えて、ベストテン入りの有力候補の映画がまた出てきたという気がする。

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