Re: ヒメアノ~ル

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hiro

なし Re: ヒメアノ~ル

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前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2016/7/27 11:31 | 最終変更
hiro  管理人   投稿数: 218
 「ヒミズ」の古谷実原作を吉田恵輔監督が映画化。「ばしゃ馬さんとビッグマウス」「麦子さんと」「銀の匙 Silver Spoon」と佳作を連発している吉田監督は今一番のアベレージヒッターだと思うが、今回も期待を裏切らない出来だ。何よりもストーカーでサイコな殺人鬼・森田正一を演じるV6の森田剛が凄い。

 森田の人物造型はサイコキラーというより狂った凶暴な男で、森田が他人の家に勝手に上がり込んでカレーを食べている(家にいた女は暴行されて殺されている)場面など今村昌平「復讐するは我にあり」の榎木津巌(緒形拳)を思い起こさせた。しかし榎木津は森田のように狂ってはいなかった。いや、狂っているという表現はおかしいかもしれない。森田の異常さは自分の欲望や都合のために人を殺すことを何とも思わないところにある。それ以外の部分は知性もあり、計算もあるのだ。

 原作がどうなっているのかは知らないが、映画はラブコメ風に始まる。ビル清掃会社で働く岡田(濱田岳)が同僚の安藤(ムロツヨシ)から、想いを寄せるユカ(佐津川愛美)との恋のキューピッド役を頼まれる。ユカが働くカフェに行った岡田はそこに高校時代の同級生・森田正一(森田剛)がいるのを見つける。ユカは森田からストーキングされているという。金髪で無口な森田にはどこか不気味な雰囲気がある。同級生といってもほとんど話したことはなかったという岡田は安藤に頼まれて恐る恐る森田に問いただす。森田はストーキングを否定し、その後は姿を見せなくなる。

 ここで森田の話はいったん後景に退き、岡田と安藤とユカのラブコメがメインになる。ストーカーから守ると称してカフェに通ったり、一緒に飲みに行ったりしているうちにユカが岡田を好きになったことで3人の関係はややこしくなる。岡田は安藤に気を遣いながらも、ユカと付き合い始めるが、それが安藤に知られてしまう。密かにユカのアパートを監視していた森田もそれを知る。

 抑揚のない話し方をする安藤が若いユカを思い詰める姿はおかしいと同時に一途すぎて不気味でもある。ストーカーの森田と安藤の距離はそんなに遠くはないのだ。2人の違いは過去にある。森田がサイコな男になった原因として映画は森田の過去の悲惨な出来事を描く。ここに十分な説得力があるとは言えないのだが、一応のつじつまは合っているだろう。森田剛の迫力の演技は些細な傷を気にさせない。

 濱田岳は相変わらずの好演。ムロツヨシもうまいが、一見清純そうで実は、というユカを演じる佐津川愛美に意外性があって良かった。

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