いしぶみ

  • このフォーラムに新しいトピックを立てることはできません
  • このフォーラムではゲスト投稿が禁止されています

投稿ツリー


前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2016/8/16 21:34
hiro  管理人   投稿数: 218
 原爆投下地点から500メートルの場所で被爆した広島第二中の1年生321人の遺族らの手記の朗読劇。広島テレビが制作した番組を劇場用に再編集した作品で、この番組自体、1969年に制作された番組「碑」のリメイクだそうだ。旧作は広島出身の杉村春子が朗読したが、今回も同じく広島出身の綾瀬はるかが担当している。監督は是枝裕和。

 この朗読の部分、被爆した生徒の写真や名前を映してスタジオ内で行われる。重傷を負いながら家に帰ろうとする生徒、川の中で火を逃れる生徒、家にたどり着いて数日後に亡くなった生徒など一人一人の被爆後の姿が浮き彫りになる。悪くはないのだが、動きが少ないのが映画としてはつらいところだ。

 後半、池上彰が遺族や難を逃れた同級生たちにインタビューする場面の方が強く胸に迫ってくるのである。全身にやけどを負い、顔を大きく腫らした弟と再会した兄や、川の中で生徒たちと「海ゆかば」を歌った先生の娘、脚気で勤労奉仕を休んで難を逃れた同級生、原爆投下の1週間前に父親の転勤で東京に引っ越した生徒ら、インタビューを受ける人たちはいずれも原爆とその犠牲者への思いを引きずっている。そして「父と暮せば」の宮沢りえのように「自分だけが生き残って申し訳ない」という意識を持っている。「息子を思い出すから、もう来ないで」と遺族から言われた人もいる。

 パンフレットによると、是枝監督は旧作について「一切のセンチメンタリズムを拒否し、観る者の想像力を信頼し、ひとつひとつの生と死を詳細に描くことで、逆にその背後の二〇万人の死に思いを至らせる作品」と評したそうだ。しかしリメイクだからといって、旧作と同じ朗読スタイルを取る必要はなかった。もう少し映画的な処理を増やしても良かったのではないかと思う。
  条件検索へ

サイト内検索

ログイン

ユーザ名:

パスワード:



パスワード紛失

新規登録