あぁ、荒野

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前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2018/3/3 15:34
sugio  長老   投稿数: 199
前編、後編、合わせて5時間強が、あっと言う間に過ぎて行く。圧倒的な面白さ。
何をおいても菅田将暉の迫真の演技、そして体内に強力なマグマを持ちながら優しいが故に苦悩するバリカン健二を繊細に演じ切ったヤン・イクチュン、このふたりに否応なく気持ちが持っていかれる。
寺山修司の原作は読んでいないし、他舞台も見たことがないが、唯一、映画は若い頃友人に誘われて『田園に死す』を観てさっぱり訳が分からず、春川ますみか風船のように膨らむシーンしか覚えてないし、二度と寺山修司に近づかないと心に決めていた。
あぁ、それなのにである。
今作は、本当に面白かった。
幸か不幸か(笑)、60年代安保や社会情勢や思想的な事に何の思い入れも無いので、時代背景が妙に捻られて、無理くりはめ込まれた枝葉のエピソード部分は気にはならず受け入れられた。
主軸となる新次と健二の物語のみで、充分面白かった。それだけだと『明日のジョー』と何ら変わりないと言われるかもしれないが、それでも、ふたりが背負った人生の負の重み生き様が、入魂の演技を伴って琴線に触れ感情を揺さぶる。

ボクシングシーンも濡れ場も、全てにおいて菅田将暉は凄かった。今、若くて上手い俳優がたくさんいるけど、群を抜いていると思う。
カメレオン俳優は観ていて飽きが来ない。昨夜の日本アカデミー主演男優賞を受けて「いろんな人物を演じて自分が分からなくなりそうだけど、今、菅田将暉としてとても嬉しい」と言ってたのを見たて、そうだろなぁと納得した。

ヤン・イクチュンは、臆病で吃音の誠実な青年を自然体で演じていて『息もできない』のサンフン役と、とても同一人物とは思えない。もっと他の役も見てみたいと思った。

互いが背負う負の繋がり、それはどんなにお互いを認め求めていても、割り切れるものではなく、健二の身動きの取れない苦悩が見ていて辛かった。
ジジィ、ババアと言って詐欺をしていた新次が、介護の仕事を辞めずにやり続けるという成り行きが、ある意味贖罪にも思えて感慨深い。
そんな新次と健二の死闘のシーンは凄みが半端なく手に汗握って見入ってしまった。

でんでんは相変わらず安定して良かったが、今回のユースケ・サンタマリアは、シリアスで初めて良いと思えた。
他女優陣も皆、良かったと思う。

宮崎では前編後編一挙を3日間だけの上映だったけど、見逃さずに観られて本当に良かった。



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