チャーチル ノルマンディーの決断
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投稿日時 2018/10/18 7:51 | 最終変更
「ウインストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男」に続くチャーチル映画である。ゲイリー・オールドマンが見事なメイク効果もあってオスカーを受賞した「ヒトラーから・・・」と違って、本作は主演のブライアン・コックスがそのままの姿で演じている。
オールドマンがダンケルク前後のチャーチルを演じていたのに対し、コックスはその4年後のノルマンディー上陸作戦前後のチャーチルを描いている。
チャーチルという歴史上の人物を描いているので2作を見比べてみると共通点はあるものの、見終わったあとのチャーチルの捉え方の違いが出てくる。
共通点は、子供じみたチャーチルの言動を時には母のごとく優しく、時には妻として叱咤激励するチャーチル夫人の姿である。本当に大変だったと思う。チャ-チルの葉巻と飲酒癖もきちんと描かれている。この葉巻と飲酒の嗜好が、チャーチルの言動に大きな影響を与えたのではないかと思う。一番重要な共通点は、チャーチルが第一次大戦で作戦の失敗から多くの兵士を死なせているということをきちんと描いていることである。
本作ではこのことがチャーチルにトラウマとして大きな影響を与えたことを中心に描いている。米・英・仏の3軍が立案したノルマンディー上陸作戦に対して執拗に反対し別案を提示するなど、チャーチルの言動は見苦しい。それが、そのトラウマから来ているとしたら指導者としては失格である。結局、軍部はチャーチルの意向とは無関係に作戦を進め、実行する。
チャーチルがしたことは、作戦のことを国民に知らせることと国民の戦意高揚のための演説であった。
第2次大戦後、チャーチルが政権を担うことができなかった理由がこの映画でもはっきりする。英国民は、チャーチルが戦争に勝つための象徴であったことを知っていたのかもしれない。そのチャーチルを、コックスは見事に演じきっている。
オールドマンの作品に比べても、決して見劣りがしないコックスのチャーチルであった。