裏切りのサーカス

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前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿.1 | 投稿日時 2012/8/30 12:27
d0yaga0  一人前   投稿数: 90
 
キネマ館からキャラクター相関図なるミニチラシを受け取り、しばしそれを眺めて登場人物たちの関係をそれなりに予習。
早く劇場に着いたこともあって、「ティンカー、テイラー、ソルジャー、プアマン…」と呪文のごとく復唱すること5分少々。これから観る映画は、二重スパイの裏切り者を探すサスペンス調のスパイ映画!と思ってただけに鑑賞後の虚無感MAX。「あーこんな映画だったのか…」となんだか切なくなったよ。

この映画をひとことで言うなら、非常に『切ない』映画だね。

スパイという職業がそうであるように、利用され、裏切られ、騙される、そんな切なさがスクリーンからにじみ出てて、裏切り者である『もぐら』の正体がわかっても爽快感は皆無。さらにその後に続くクライマックスで、ただただ切なく重い虚無感みたいなものがズシンとのしかかってきたわけで。物語に時折はさまれるパーティーのシーンの意味がわかってくる後半あたりからは愛しさと切なさと心強さが入り乱れて「もう勘弁してください。サーセンした!」って言いたくなるくらい打ちのめされてしまったよ。
切なさっていうのは物語もそうだけど、画作りからも満ち溢れていて、澄み渡るような青空なんぞは皆無。どんよりと曇天あるいは冷たい雨が吹き荒ぶの空の下、決して笑顔をみせない“スマイリー”が淡々と謎を解明していく。

ル・カレの原作はきっと膨大な情報量だったと思うけど、それをこんなコンパクト(それでも実際は127分の長編、でも全然時間を感じなかった)にまとめあげるとかホントに脚本と構成が上手い。特にラストのフリオ・イグレシアスの『ラ・メール』のシークエンスはあまりの素晴らしさに鳥肌が立ってしまったよ。

役者陣もみんな上手。スマイリーを演じたゲイリー・オールドマンは言わずもがな、若手諜報部員を演じたトム・ハーディも素晴らしい。ラストのワンカットとか切なさMAXで『ダークナイト・ライジング』のベインと同一人物とは思えないくらいの演じ分けだった。(←え?そこ?)

個人的に気に入ったのがマーク・ストロング演じるブリドーとスマイリーの相棒になるギラム(ベネディクト・カンバーバッチ)。2人ともあんなに男臭い感じなのに実はゲイだったっていうギャップに超萌えた。怒涛のごとく萌えた。萌えまくった。
そんなわけで監督の趣味なのか、この映画に出てくるのはほとんどが実力のある、かつ一癖も二癖もあるような個性派男優。女優さんも幾人か出てるんだけど扱いが超酷い。マジで酷い。リッキー(トム・ハーディ)がひとめぼれしてしまうイリーナ(スヴェトラーナ・コドチェンコワ)とかあんな扱い受けるとかね。もう。

振り返ってこの作品を思い出してみると、やっぱりため息が出るほどに切ない映画で、スパイの背負う悲しい宿命とイギリスがおかれている立場的なもの(かつての大英帝国が今では…)をシンクロして描いてるあたりがグッとくるというか。

恋愛映画じゃないんだけど、悲恋の物語をみたようなそんな感じがする。うん。うん。

物語が進行していくなかで説明的な描写やセリフがほとんど無い上に、時間軸がバラバラになっててミスリードもあるから1度観ただけではわからない人もいるだろうね。犯人探しが物語の主軸にはなってるけどそれがメインというわけでもないから、わからないなりに虚無感にどっぷりと浸かるっていうのもいいんじゃないかって思う。

ポランスキーの『ゴースト・ライター』が好きな人にはドンピシャな作品だと思うし、『007』や『ミッション・インポッシブル』が好きな人には「ちょっと違うかもよ」って小声でアドバイスしたい作品だな。

(前者の人には)超オススメ作品です!!

 
前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2012/8/31 17:46 | 最終変更
sugio  長老   投稿数: 204
よくよく人間関係図を確かめて、それぞれの人物の役割をだぁいたい頭の片隅に入れ、鑑賞に臨んだ。けれど、予想通り、細かく入り組んだ部分はさっぱりわからず、ただ漠然と`もぐら’の正体を知ったという、なんともお粗末な結果に終わった。しかし、映画全体に漂うダークグレーの、なんというか、閉塞的な重量感に圧倒された。このまま終わるのは、あまりにもったいない・・・・・・・、そんな事もあろうかと、キネマ館が用意してくれたリピーター券。
いつでも1000円で、本日二回目の鑑賞。

おおおぉ、見える見えるっ!
なるほど、なるほど、どうして一回目には気がつかずに見過ごしてしまったんだろう。
一人の人物に対して名前がいくつもあるもんで、誰のことを話しているのかさえこんがらがっていた部分が霧が晴れるように鮮明に浮かび上がって見えた。

スパイの冷徹さの中に潜む孤独感と人間くささ、悲哀、そのルツボにどっぷり浸されたって感じ。スパイといえども、心があり辛い選択をしてきた過去があり、そんなものがじわじわと沁みてくる。正直にいえば、初回見たときはゲイという部分は全然気がつかず、だから、ちっとも物語の襞(ひだ)もなんもあったもんじゃないわけで。
説明する台詞はほとんど無いし、一瞬一瞬のシーンを見逃したら、もう解んなくなっちゃう。スマイリーが、`もぐら’を手繰りよせていく過程で明かされていく疑問点もようやく理解できた次第であります。

手紙を渡す時の`もぐら’の言葉、そして、迎えるラストの激しくも静かなクライマックス。ここも疑問が残っていた部分だったのだけど、それが、`もぐら’の意思だったのかと気がついたのも二度目。車内に紛れ込んだ蜂や、泳ぎのシーンがなにやらの象徴的な事を想像する余裕が持てたのも今回。小物の使われ方もいいなぁ。

もう一度観たら、私のことだから、もっと見落としている部分があるのかもしれない。
俳優も、個性的ですごく見応えがあった。ゲイリー・オールドマンは渋くなったなぁ。最近、BSの【シャーロック】で断然興味を持ったベネディクト・カンバーバッチ(舌噛みそう!)が重要な役柄で出てきたのには、非常に興奮した。

面白かったです。
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