隣る人

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d0yaga0

満足 隣る人

msg# 1
前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2012/10/28 11:58
d0yaga0  一人前   投稿数: 90
 
とても素晴らしいドキュメンタリーだった。
様々な理由で親と暮らせない子ども達が暮らす児童養護施設『光の子どもの家』。
巷にあふれる幾多の密着ドキュメンタリーにありがちなナレーションやテロップはこの作品には一切存在しない。そのような補足は蛇足だというようにありのままの現状の姿をカメラは優しい眼差しで捉える。

タイトルの『隣る人』は、児童養護施設『光の子どもの家』の現理事長菅原哲男氏が作った造語。光の子どもの家の保育士や職員たちは子ども達の『隣る人』として常に側に寄り添う。このタイトルの何と意味深いことか。

そこに暮らす保育士マリコさんとマリナ、ムツミの3人を中心に物語は進んでいく。
甘え上手なマリナに対してムツミは勝気でやんちゃな女の子。マリコさんは二人をわが子のように接していく。血の繋がりなどない、別の言い方をすれば「擬似家族」な彼女たちが家族以上の在り方をみせる。マリコさん達だけではない、この施設に暮らす保育士と子ども達はみな本当の家族のようだ。

一方で、子ども達に無償の愛を注ぐ『光の子どもの家』の限界をカメラは残酷に映すシーンがある。職員退職に伴う配置換えにより親子関係を強制的に解消されるマイカちゃんのエピソードは本当に胸が苦しくなる。現場に一緒にいたムツミがその日の夜に「マリコさん大好き」とノートに何度も書きなぐるシーンには、「擬似家族」に終わりがあることを感じるムツミの心情とも相まってやり切れない気持ちになる。

ムツミが本当の母親とふれあうシーンも切ない。
本当の親子なのにその関係はあまりにも繊細で脆い。それでもマリコさんはどうすればムツミが母親とちゃんとした関係が築くことができるのかを懸命に考える。

母親不在のムツミの誕生日、彼女に対して最大級の言葉を紡ぐマリコさんの姿が本当に美しい。

マリコさんが朝食を準備するシーンで物語がはじまり、同じシーンで終わるのは、愛する人たちと共にごはんを食べるという行為そのものが無償の愛の基本であるからに他ならないからだろう。
今日もまたムッちゃんとマリナは朝食の支度をするマリコさんの後ろ姿に「おはよう」と元気に挨拶してることだろう。
 
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